同港湾局警察は当初、ニュージャージーからニューヨークへ移動をしていた不法移民が当局による摘発を恐れ、様相を身軽に見せるために投棄したものだと考えていた。しかしその後数回に渡り同様なる空のスーツケース発見報告が続いた事より同警察捜査課は機密扱いで調査を始めていたとされる。今現在において十分な実証性は掴めて無いものの、スーツケースを投棄した瞬間を見たと名乗る目撃者が港湾局捜査員へ証言した事の中に、それらの内一つの空スーツケースについてはわざとトンネル出入口付近の通行帯に置かれたとの発言があったという。同証言者の発言に関する更に詳しい内容について情報提供を依頼したが今現在のところ続報を得るには至っていない。
ニューヨーク・ニュージャージ港湾局は1921年よりニューヨーク州とニュージャージー州を挟む港湾区域施設の管理、運営を始めたが、1928年には治安維持を目的とし両州から独立した港湾局警察が発足した。当初の主な活動は管轄する橋とトンネルにおける交通違反の取締りや事故処理等が主であったが、港湾局が管理運営していたワ―ルドトレードセンターが1983年と2001年の2度に渡るテロ攻撃を受けた事もあり、その体制はテロ対策強化警備へと大きく変わっている。
問題点への対応策:
9・11同時多発テロ攻撃のような大規模破壊工作は人的にも計画的にも準備に多大な時間と訓練を要するため、実行犯の指導者とされるウサマ・ビンラディン並びアルカイダ組織が引続き米軍を含む米当局の広範囲に渡る掃討作戦を避けながら潜伏しているとされる状況下、大規模なテロ攻撃を計画、実行するには指揮体制面においてかなりの困難な状況にあると推測できる。その点、時間と訓練をさほど要せずに大きな被害をもたらすと想定出来る細菌テロ攻撃に対して十分な警戒が必要である。
州外から車でニューヨーク市マンハッタン区内に入いるのに最も利用されている施設はリンカーントンネルとホーランドトンネルであり、2003年の統計ではマンハッタンの主要拠点へ通じるそれら2ヶ所のトンネルの通行車両総数は7千5百万台に上り1日あたり20万台を超える車両が通行している事になる。もしそこで今回発見された様なスーツケース内に天然痘等の細菌兵器が詰められていた場合、病原菌の蔓延は極めて短時間に壮大なものとなり、感染した者が4日以内にワクチン摂取を受けられなかった場合その1/3が死亡すると感染症研究者は推測している。細菌兵器にはこの他発見されている主なものに牛痘や鼠痘がある。特に鼠痘はワクチンをも破壊する力を持っている事よりこの病原体に感染した場合の生存率は極めて低いと検証されている。
現在ブルームバーグ市長が直接指揮する市緊急事態対策室のもと、細菌兵器使用によるテロ攻撃発生時には市警全警察官37,000名を筆頭に消防、救急からなるバイオディフェンスチームの緊急配置命令概要を確立中であるが、一日に20万台もの車両が通り抜けるこの2ヶ所のトンネル内で細菌に感染した場合、被害者自身に感染症状があらわれるまでには一定の時間を要することより、厳格かつ効果的な隔離対策が実施されなければ感染被害拡大は壮大なものに成り得る。
生物化学成分の早期発見が同テロ攻撃後の市の被害を最小限におさえると主張する危機管理専門家らの指摘により、市は港湾局警察と協力し各トンネル、橋、空港、港湾の主要拠点に於ける常時の検知体制実施をするべく、最新生物化学兵器検知器の導入に向けて調査を進めている。
ニューヨーク州、ニュージャージ州居住者をはじめ、リンカーントンネルとホーランドトンネルを常時利用しているドライバーは、港湾局ラジオニュース(AM530)等にて常に同トンネル内の安全情報を確認することを勧める。又、各トンネル内にはそれぞれ4箇所の緊急避難口があるので緊急時には港湾警察官の指示に従い避難する。
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